◆ 高濃度ビタミンC点滴療法 ◆
1970年代にビタミンCの点滴と経口サプリメントで、
ビタミンCの投与が末期進行がんの患者の生存期間を4.2~6倍も延長することが発表されました。
米国の大学病院を中心に高濃度ビタミンC点滴療法ががんの補助療法として研究と普及が始まり、
日本でも2007年から徐々にがん治療の選択肢として導入されるようになりました。
これまでの論文から、高濃度ビタミンC点滴療法が、がん患者の痛み、倦怠感、食欲低下、
不眠などの症状を改善し、QOL(生活の質)を維持することがわかりました。
何よりも高濃度ビタミンC点滴療法では化学療法のような辛い副作用がほとんどないのが利点です。
※注意点
G6PD欠損症という赤血球膜の遺伝性酵素異常がある方は治療を受けることができません。
G6PD欠損症がある場合は必ず主治医に告げてください。
また、ビタミンC点滴を行う前に必ずG6PD活性検査を実施しています。
腎不全で透析中の方はこの治療を受けることができません。
心不全、大量の腹水、強い浮腫のある方は、点滴で水分を血管内に入れることで
症状の悪化を来す恐れがあるため、この治療ができない場合があります。
副作用について
アメリカのカンザス州ウイチタ市にあるリオルダンクリニックは、
高濃度ビタミンC点滴療法によるがん治療を確立したことで有名な医療機関です。
カンザス大学医学部と連携し、これまでに数万件以上の高濃度ビタミンC点滴療法を実施してきました。
このクリニックで経験している副反応は軽微で、副作用による死亡例はありません。
実際にはほとんど副作用のない安全性の高い治療だといえます。
使用する輸入ビタミンC注射薬について
当院で扱うビタミンC注射薬は外国製の安全なものを使用しています。
国産のビタミンC注射薬には全て防腐剤が添付されており、高濃度の点滴には適していません。
ビタミンC注射薬は温度変化によって不安定になり、効果が大幅に減少する可能性があります。
製造工場からクリニックでの保管まで、2~8度の冷蔵保管が推奨されていますが、
冷蔵空輸にて日本に出荷される安全なマイラン社のビタミンC注射薬を使用しています。